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イエス・キリストは、「天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない」(マタイによる福音書24章35節)と言われました。そして、すべてをご存じの神様の前に、「目を覚ましていなさい」、「忠実で賢い」生き方をし、「最も小さい者のひとりに」寄り添い、悲しみ、悩み苦しみを分かち合う者となるように、とお教えになりました。
神様は、人間がしっかりと目を開いて自由に神様を求め、愛し、その命の祝福に与るようにと望んでおられます。人間は、神様と共に歩む時はじめて、自分の生きる道が正しいのだ、という自分自身に対する肯定と喜びを見いだすことができるのではないでしょうか。神様以外の、どのような価値があると思われるものを求めて生きても、決して真の幸せな道に歩んでいるとは言えないのです。
イエス・キリストは、「わたしは道であり、真理であり、命である」( ヨハネによる福音書14章6節)と、現代に生きるわたしたちにその道を示しておられます。すべては空しいと思っている人にも、その人自身の生きることに意味を見いだし、その人を愛し、その人が生きていくことを望んでいる方がおられる、ということを気付かせてくださるのです。
イエス・キリストは、そのすばらしい道の教えを、当時の知識階級や宗教上の指導者、富裕な人たちだけに説いたのではありませんでした。むしろ弱い人、貧しい人、病んでいる人、身寄りのない人、罪を犯して〈自分はもうだめだ〉と落ち込んでいる人、人から白い目で見られ、社会の片隅に追いやられている人、そのような人のところに進んで出かけて行き、共に食事をし、語り合われたのです。
神様は、イエス・キリストを通してご自分のところに帰って来てもらいたい人―弱い人、日陰にいると感じている人、悲しみ、苦しんでいる人―を待っておられます。それらの人々は、現代の迷える人々の姿―あふれるような物質的な富、目を奪うような歓楽の巷ちまたに身を任せ、ありとあらゆる情報を得ながらもなお真の幸せへのパスワード・心の豊かさへのコードナンバーが分からずに、いたずらにキーボードを叩き続ける姿―と、重なり合うのではないでしょうか。イエス・キリストは、それらの一人ひとりを愛して、真の幸せの道に新しく出発する勇気と力を与えてくださるのです。それは罪の赦しであり、空しさに捕らわれ、萎なえた心からの解放です。イエス・キリストは、わたしたちが神様のもとに行くことを阻む罪を取り去るため、身代わりとなって十字架にかかって死なれ、三日目によみがえられました。それによって、すべての人が、からみつく罪から解き放たれて、新しい命の道に導かれるようになりました。わたしたちがイエス・キリストの命の道を歩む時、そのとき、神様のみもとには大いなる喜びが沸き上がるのです。その喜びは解き放たれた人自身の内なる喜びとなってその人を立ち上がらせ、前進させる源となるのです。
イエス・キリストの言葉は、信じる者の心のいちばん深いところで、大きな喜びとなり、力となってあふれ出て、清く正しい生き方に進ませてくださいます。あなたもその大いなる喜びに招かれているのです。
(救世軍士官〔伝道者〕)
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