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お母さんが、子どもに微笑み話しかけている場面や、お父さんも一緒に子どもをいとおしんでいる様子、また子どもの笑顔に出会うと、幸せな気分になります。しかし、この親子のコミュニケーションが十分にできていない家庭が多くあるのでは、と思います。
その原因の一つとして、家庭の中でのコンピューター(パソコンや携帯電話、スマートフォンなど)の影響を痛感します。子どもが(時には大人も)ゲームやチャットに夢中になっていると、家族との会話が少なくなります。その結果、機械の画面とは話せても、自分の思いを言葉で表現することを学習できないまま大人になってしまう、顔と顔を合わせて話すのが苦手になる、また、傷つくことを恐れて人との付き合いを面倒と思う、そのような青年が増えているように感じます。
社会の基盤であるはずの家庭で、本来、得られるべき温もり、培われるべき人との信頼感を得ることが成長の過程でいかに大切か、を考えさせられます。
救世軍では、子どもたちを健全に育てるための働き(保育園や児童養護施設、小隊〈教会にあたる〉の青少年活動)とともに、家庭の中で重要な役割を果たす女性に対するプログラムもおこなっています。
その一つに「ファミリーソング」という、お母さんと子ども(胎児を含め、赤ちゃんや幼児)のためのプログラムがあります。歌を歌いながら親と子ども、また子どもと関わる大人が、目と目を合わせ、肌と肌のぬくもりを感じ、ゆっくり向き合って、〈わたしは愛されている〉〈わたしは大切な存在なんだ〉と心から感じることができる時間を提供しています。
あるお母さんからの手紙です。
「私は、産後、人と関わること、話すことなどが、すごく苦痛になりました。自分との葛藤の日々の中、二歳の息子のために散歩に出かけ、目にしたのが『ファミリーソング』のポスターでした。私にとって外に出る一歩、人と接することのきっかけをつくってくれたのが、この『ファミリーソング』でした。この集まりは、自分を飾らずにいられる、居心地の良い所となりました。優しく迎えてくださった皆さんに感謝しています。」
このプログラムの目的は、子育てに不安やストレスを感じているお母さんに安心して心の重荷を下ろす場所を提供するとともに、子育てという自分に与えられた責任を喜んで負うことができるように、お手伝い(支援)することです。
イエス・キリストは言われます。
「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」(マタイによる福音書11章28節)
神の独り子イエス・キリストは、神様を認めず自分勝手に歩む私たちの罪を解決するために、身代わりとなって十字架に架かって死んでくださいました。そのことを認めて罪を悔い改め、神様を信じた人は、神の家族に加えられ、日々、神様の愛を感じて歩むことができるのです。
キリストはまた、続けて
「わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛くびきを負い、わたしに学びなさい。……わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである」(マタイによる福音書11章29、30節)とも言われました。心のよりどころ、休むべき場所を示してくださるだけでなく、負うべき荷を一人でではなく、キリストが共にいてその力を与えてくださるのです。
キリストとの出会いによって、一人でも多くの人が、家族や他の人と愛によって関わることができますように祈ります。
(救世軍士官〔伝道者〕)
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