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クリスマス! それは「キリストの祭り」を意味しています。お祭りには歌や踊りがつきものですが、クリスマスの時に歌う「カロル」という言葉の語源には「輪になって踊る」という意味があるそうです。ヨーロッパの人々は、クリスマスの時、教会内に造られたクリブ(飼い葉桶)の周りでカロルを歌い、踊って、イエス・キリストの生誕を喜び祝ったとも伝えられています。
クリスマスは確かに喜び祝う時なのです。クリスマス・カロルの中では
羊を守る野辺べの牧人
天なる歌を喜び聞きぬ
と歌われていますが、イエス・キリスト誕生の喜びを誰よりも早く知らされたのは、夜、野宿をしながら羊の群れの番をしていた羊飼いたちでありました。彼らは天使がこう言うのを耳にしたのです。
「わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」(ルカによる福音書 2章10〜11節)。
誰のためでもない、あなたがたのために、と言われた羊飼いたちの喜びはいかばかりであったことでしょう。
私は、昨年九月、ニュージーランドに渡航しました。ニュージーランドは、牧羊の国として有名ですが、移動する車中から、牧場で草を食む羊たちの姿を何度か目にしました。実に、のどかで平和な姿がそこにありました。都会の喧騒の中に生きる者にとっては、羊たちの世話をする羊飼いの仕事は牧歌的な魅力ある職業に映ります。しかし、主イエスがお生まれになった当時のユダヤの国において、彼らの社会的地位は低く、貧しく、苦しい日々を過ごしていました。ですから、
「あなたがたのために救い主がお生まれになった」との言葉は、彼らにとって目を見張るようなビッグニュースであったことでしょう。
ある幼稚園で、クリスマスの日、園長先生が園児たちに、
「クリスマスおめでとうございます」
と挨拶しました。すると、園児たちは、いっせいに
「クリスマスありがとうございます」
と答えたそうです。園児たちはきっと思ったのでしょう、クリスマスはサンタクロースがやってくる日、素敵なプレゼントをきっともらえるだろう、と! 幼かった日、朝、目覚めると枕元に置かれていたクリスマスのプレゼントのこと―うれしくてお隣の家に駆け込んで
「僕の家にも、サンタクロースが来たよ!」
と言ったことを、私も懐かしく思い出すのです。
クリスマスにどうしてプレゼントをする習慣が広まったのでしょう。これはイエス・キリストが誕生した時、東方からやって来た三人の博士たちが黄金、乳香、没薬という贈り物を幼おさなご子イエスに献上したことに由来すると言われています。
黄金は、宝石の王であり、精神界の王である主イエスを指し示し、乳香は、祭司が祈りの際に用いた香料で、祈りをもって執と り成な してくださる大祭司なる主イエスを象徴していました。しかし、没薬こそ、主イエスがどのような方であるかを最もよく表している贈り物と言えるでしょう。没薬は、人の死に際して用いられるものでしたが、すべての人の罪の赦しのため、十字架に架かかり、身代わりに死んでくださった方こそ、主イエスであったからです。
三人の博士たちの贈り物は主イエスの誕生を祝うものでしたが、救い主イエスがどのような方であるかを示すものでもあったのです。
「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」(ヨハネによる福音書3章16節)
飼い葉桶に眠る幼子こそ、貧しき者、疎外されている者と共に歩み、ご自身を救い主と信じる者を永遠の命へと導いてくださるイエス・キリストでありました。
そうです。イエス・キリストこそ、神様からのクリスマス・プレゼントなのです。
「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適かなう人にあれ」(ルカによる福音書2章14節)と歌う天使たちの歌声を聞いた羊飼いたちの心には、きっと深い喜びが湧き上がっていたことでしょう。
クリスマス! それは
「クリスマスおめでとう」
と言う日であり、
「クリスマスありがとう」と言うことのできる日なのです。
(救世軍士官〔伝道者〕・司令官)
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