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厳しい冬を過ごして、春もすぐそこ。梅や桜の開花を待ちわびる季節になりました。
昨年十二月の中頃、あるご婦人からお手紙をもらいました。そこには、
「思いがけず大病を患い八カ月が経ちました。夫は、結婚式の『富める時も病めるときも変わらず』の誓いのままに接してくれましたが、その優しさのために、夫まで体を壊してしまいました。自分たちにとってこの冬はとても厳しいです」と書いてありました。
私も、七年前に、乳がんで二度の手術と、抗がん剤治療による闘病を経験しました。四年前には息子を亡くして、食事も摂れず、何事も上の空で、立っていても宙に浮いているような感覚にとらわれ、〈厳しい冬〉の経験をしました。
誰も人生の冬は訪れてほしいと思いません。しかし私たちの人生は意のままにはなりません。冬の寒さに打ち震え、頭をうなだれてしまうようなことが何と多いことでしょうか。
「主よ、それでも あなたはわたしの盾たて、わたしの栄え わたしの頭を高くあげてくださる方」(詩編3編4節)
という聖書の言葉があります。イスラエルの王ダビデの歌です。その前の部分の一節には、
「主よ、わたしを苦しめ
る者は どこまで増える
のでしょうか」
とあります。ダビデは理想的な王であり、すぐれた武将でしたが、前王サウルにたびたび命を狙われ、自分の息子アブサロムには反逆され、幾多の苦しみ、悩み、悲しみを経験して、彼の頭は何度も深くうなだれてしまいました。 しかし、
「主に向かって声をあげれば 聖なる山から答えてくださいます」(5節)とあるように、ダビデは神様に助けを祈り求め、神様はその都度ダビデのうなだれた頭をあげてくださいました。そのことを感謝して、先の言葉(4節)の告白となりました。そして、
「救いは主のもとにあります」(9節)
という確信になりました。
手紙をくださったご婦人は
「病気になる前とは百八十度、幸せのものさしが変わり、大変な中にも毎日小さな幸せに出合えています。この厳しい冬を乗り越えてこそ得られる春の訪れに希望をもちながら頑がん張ばっていきたい。皆様のたくさんのお祈りと励まし、見守りを感謝します」
と結んでおられました。
私にも厳しい冬、頭をうなだれることがたくさんありましたが、ダビデ王にされたように、神様はいつも私の頭をあげてくださり、現在はとても平安な日々を過ごしております。
神様はあなたの頭もあげてくださいます。必ず春はやってきます!
最後に、『救世軍歌集』にある賛美歌の歌詞を紹介します。
「移りゆくときの間も 悩みに勝つ力
父より受けしわれは 心に恐れなし
愛に満てる御神は めぐみを日々与え
悩み苦しむときも 憩いと安き給う
悩み激しきときも 主の約束たのみ
安けく過ぎゆくため 主よみことば給え
疲れしときに助け み手にすがるわれを
常に導きたまえ 御み国に入る日まで」ⓒ救世軍歌集280番
(救世軍士官〔伝道者〕)
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