2024年の予定
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一、キリストの給食
イエス・キリストは町々村々を巡り、神の国について教え、人々の病を癒されました。また時には、給食のように、五千人に対し、五つのパンと二匹の魚でそのすべての胃袋を満たされました。そのパンくずを集めると、十二の籠にいっぱいになった、と聖書は記しています。そして、こう言われました。
「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。」(ヨハネによる福音書6章35節)
この物語を通して、キリストの中には無尽蔵の豊かさがあることを知ることができます。人は衣食住が足りて、毎日面白おかしく暮らせても、魂(生命や精神活動の中心)に飢え渇きがあるなら、本当に「生きている」とは言えないでしょう。自分の罪に苦しみ、あえぐ人々の救いのため、イエス・キリストは、十字架で贖いの死を遂げてくださいました。この「わたしが命のパンである」とは、イエス・キリストの十字架の死と復活を示しているのです。
二、キリストの言葉が、人の魂に作用し、心の化学変化を起こす
救世軍では、街頭で生活する人々を支援する活動をおこなっています。折々に食料や日用品を配布し、必要な時には社会復帰の相談に応じ、社会復帰する人が起こされています。
それまでの悪循環から立ち上がるためには、本人の「自分は変わりたい」との強い願いが必要です。
支援活動から救世軍に来るようになった方が、今、支援活動を手伝っています。ある時、彼が言いました。
「どん底で這い回っていた時、救世軍の給食に並んで聞いた聖書の言葉と賛美歌が、耳にこびりついて離れなくなった。救世軍へ行ったら何か変わるんじゃないか、そんな気がした」と。
彼の魂の中の飢え渇きが、イエス・キリストによって潤されたのでしょう。
三、人が本来もっている命の輝きは、キリストによって引き出される
現代人の魂は漂流しています。どう生きてゆけばよいのか、何を生きがいにすればよいのか、と。
イエス・キリストの言葉と奇跡は、人間を丸ごと包み込むものです。彼に触れる者はみな、魂の根底から満たされ、潤されます。
五千人の給食で、人々は、ただ単に満腹したのではなく、キリストより溢れ出る愛に気づいたのでした。人は豊かな愛に触れる時、その心を開き、自らの命を輝かせ始めます。
救世軍の病院に導かれた一人の女性を知っています。天涯孤独で癌が体中に転移しており、本人も死を覚悟している様子でした。彼女は、たくさんの傷を抱えていました。スタッフに心を閉ざし、表情は固いままでした。けれども、スタッフが注意深く彼女を観察し、安心して過ごせるよう配慮するうちに、彼女は少しずつ自分のことを話すようになりました。表情は柔らかくなり、口からは、感謝の言葉が出るほどに変えられたのでした。病院で、イエス・キリストの愛に触れたこの女性は、今、救世軍の墓所で眠っています。
命のパンであるキリストには、神様の愛がぎっしり詰まっているのです。
(救世軍士官〔伝道者〕)
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