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人はどんな時に不幸だと感じるのでしょうか。自分が思い描いていた人生でなくなったとき? 経済的に苦しくて食べる物にも困るようなとき?
それよりももっと私たちが不幸だと思うのは、誰からも愛されていない、必要とされていない、と感じるときではないでしょうか。
たとえ現実の生活に困難さを抱えていても、愛する家族や大切な友がいて、自分の存在がありのまま受け入れられているとき、私たちは幸せを求めて一歩一歩前に進む力を得ることができるのだと思います。
けれども人間は、時に心変わりすることがあります。信頼していた人に裏切られる経験をした人は、人を信じるということに恐れを感じるようになってしまいます。人間の愛は完全ではないことを知ってしまったからです。
聖書に記された神は、私たち一人ひとりをこの世に形造り、命の息を与えてくださいました。私たちが神を知っているか否かにかかわらず、神はご自分の作品として、私たち人間を完全な愛をもって愛し、見守り続けてくださっています。
「わたしの目にあなたは価あたい高く、貴とうとく わたしはあなたを愛し」(イザヤ書43章4節)
ている、と神は、私たちに語りかけておられるのです。
私は救世軍ブース記念病院でのチャプレン(魂のケア及び宗教的ケアを行う専門職)としての務めの中で、多くの人々と出会う機会をいただいています。それらの出会いを通して教えられることは、「神がすべての方を愛しておられる」ということです。
お一人おひとりは、それぞれまったく違う人生を歩み、家族背景も、経済状況も、病気の経過も、病院での入院期間も違います。意思表示が難しい方や認知症の方もおられます。キリスト教を信仰している方も中にはおられますが、特に宗教をもたない方、あまり関心がない方もおられますから、チャプレンとの関わり方も、当然それぞれです。けれども、すべての人に対して言えることは、聖書に示されているように、
「あなたの人生は、神の目には貴いもの、価値あるものとしてあること、あなたは、神に完全に受け入れられている」
ということです。
ブース記念病院では、すべての患者様の誕生日を職員でお祝いします。枕元にうかがい、その方のお名前を呼び、「ハッピー バースデートゥーユー♪」と歌うのです。中には「もう、めでたい年齢ではない」と言われる方や、病院で迎える誕生日は嬉しくないというお気持ちの方もおられます。それでも、どんな状況にあっても、数十年間という年月、生まれてから今日まで、目には見えなくても背後にあって守り導いてくださった神に感謝し、今生かされていることを確認する瞬間をもちたいと願っています。
たとえ病気やあらゆる困難な状況にあったとしても、
「恐れるな、わたしはあなたを贖あがなう。あなたはわたしのもの。わたしはあなたの名を呼ぶ。水の中を通るときも、わたしはあなたと共にいる。大河の中を通っても、あなたは押し流されない。火の中を歩いても、焼かれず 炎はあなたに燃えつかない」(イザヤ書43章1、2節)
と、神はあなたにも呼びかけておられます。あなたの人生が、あなたの存在自体が神の目に貴く、価値あるものだからです。
あなたも、神から愛されているあなたの人生を喜んで受け入れましょう。その先には、幸せな人生が待っています。
(救世軍士官〔伝道者〕)
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