軍隊形式について

ARMY STYLE

救世軍は災害時の救援や発展途上国への援助活動を行う際、組織力と機動力を高め効率よく支援できるように軍隊の形式を取り入れています。組織が軍隊式なので、使う言葉も以下のように独特です。

一般的な呼称 救世軍での呼称

教会 → 小隊

信徒 → 兵士

伝道者 → 士官

牧師 → 小隊士官

各国責任者 → 司令官

最高指導者 → 大将

笑顔の軍隊の写真

このような軍隊としての形式になった背景は救世軍の成り立ちにあります。救世軍が生まれた19世紀末のイギリスは、属する社会の階級が違えば、服装も言葉も食べ物も違ってしまう階級社会でした。しかしその中で軍隊だけは、富裕者も労働者も同じ制服を着て活動する、階級を超越した場所でした。一方、キリスト教会は本来、階級を超越した場所であるはずですが、19世紀末の教会は中流階級以上の人が集う場所となっていました。東ロンドン伝道会は、ミリタリースタイルを積極的に取り入れ、制服を着て伝道することで、階級の壁を通り抜け、貧しい労働者の中にストレートに入って行くことができました。

私たち救世軍はこのような背景から軍隊の形式、そして軍隊の制服を着用し、軍旗を持っています。これらは世界中どこへ行っても救世軍だと一目でわかるように、という意味も込められています。

軍隊の写真
Uniform

キリストの兵士であることを目に見える形で表すために、救世軍の兵士(クリスチャン)は青い肩章の付いた制服を着ます。襟に付いたSのエンブレムは「救い」(Salvation)の頭文字です。伝道者を養成する士官学校(神学校)で二年間の訓練を受けて救世軍の士官に任官された者は、赤い肩章と襟章の付いた制服を着用します。士官は奉仕の年数により、中尉、大尉、少佐と昇進し、また、特別な任務を与えられて、大佐補、大佐、中将に昇進する士官もいます。

制服は、普段の奉仕、伝道や説教、結婚式や葬式などの儀式、移動や旅行、国家元首との面会など、日常から非日常のあらゆる場面で着用されます。それはすべて、キリストの救いを証しするためであり、また、着る者をこの世のさまざまな誘惑から守るためでもあります。制服は濃紺が基本ですが、熱帯では白やカーキの制服も用いられ、また、温帯の国でも、夏はパイロットシャツに肩章を付けた略装があります。

軍旗の写真
Tricolour

小隊(教会)や病院、社会福祉施設、本営(本部)など、救世軍が活動する拠点にはすべて、軍旗が掲げられます。軍旗は、赤・青・黄でデザインされていて、トライカラー(三色旗)と呼ばれることもあります。色にはそれぞれ信仰的な意味が込められていて、「青」は世界の創造主なる神のきよさ、「赤」はイエス・キリストが十字架の上で流された贖罪の血、「黄」は聖霊の炎を表し、全体では、父と子と聖霊なる三位一体の神を表しています。

軍旗は路傍伝道(野戦)やパレード(行軍)の際に先頭に掲げられます。また、洗礼式に相当する「兵士入隊式」や、結婚式・葬式などの儀式の際にも必ず軍旗が掲げられます。救世軍の兵士が、地上での戦いの生涯を終えて天国に帰る葬儀では、棺が軍旗で覆われます。

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