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救世軍ではブラスバンドによる演奏活動を行なっており、各種集会やボランティアの場で演奏を披露しています。キリスト教の礼拝・伝道や救世軍の働きを知ってもらうなどの目的で活動を行なっており、活動によって得た利益は各種の支援の資金になっています。
救世軍では礼拝などの集会の中で、他のキリスト教会における演奏でパイプオルガンを用いているように、ブラスバンドで同等の役割を用いており、「歩くパイプオルガン」とも呼ばれております。(いわゆる吹奏楽の楽器編成と区別するために「ブリティッシュ・スタイルの金管バンド」などとも呼ばれています)
産業革命以降の英国では社会階層の下部に属する労働者、例えば炭鉱夫などが職場でも娯楽を求めるようになり、その一つとしてブラスバンドの活動が盛んになり、その時期と救世軍の働きが盛んになってきた時期とがうまく重なり、互いの関わりあいも生まれたと考えられます。
救世軍の働きのなかでブラスバンドが採り入れられたきっかけについて、ある記録があります。初期の頃、救世軍が行う路傍伝道は、暴徒たちから度々妨害されていました。ある時、チャールス・フライ(建築業)とその家族4人が金管楽器を路傍伝道に持参し、賛美歌の曲を演奏しました。2本のコーネット、ユーフォニアム、バルブ・トロンボーンのアンサンブルは、レンガ造りの建物が立ち並ぶ街角に美しく響き、人々の心を静めて大いに効果をあげました。この出来事は救世軍初期の重要な事件として知られ、その後の救世軍ブラスバンド発展につながるきっかけなったとされています。
救世軍のブラスバンドは、いくつかの例外もありますが、おもに救世軍の小隊(教会)に所属しており、礼拝、伝道、その他さまざまな種類の働きが、任命された楽隊員らによって、クリスチャンの奉仕として行われています。(社会福祉施設内のクラブ活動的なものなど、例外もあります)「スタッフ・バンド」(Staff Band)と呼ばれているブラスバンドは、世界中の救世軍に11組存在し、その国の本営で組織運営されています。またコンサート、社会福祉施設や病院などへの訪問演奏、地域行事への参加などの活動を行い、救世軍が地域社会の一員としての役割を果たすことにも貢献しています。
救世軍のブラスバンドが、全英オープンをはじめ、チャンピオンシップを競うコンテストに参加したりすることは、規則によって認められていません。救世軍とそのバンドの活動目的からも外れています。ブラスバンド界のそのような重要な機会に不参加という方針ですが、しかし音楽バンドとしての活動や新しい作品の作曲に関してなど、他のブラスバンドとも互いに良い影響を与え合って今日に至っています。
作曲に関して言えば、プロで、しかも元々救世軍人の優れた作曲家は多く、エリック・ボール、エリック・ライゼン、ディーン・ゴーフィン、ウイルフレッド・ヒートン、今日ではピーター・グラハム、ケニス・ダウニー、ウイリアム・ハイムズやジェイムス・カーナウ、その他多くの作曲家が、救世軍や一般の音楽界で優れた作品を生み出しています。
なお近年は変化も見られ、チャンピオンシップ・ファイナルに関連して催される特別コンサート(ロイヤル・アルバート・ホール)で、優秀なチャンピオンシップ・バンドなどと救世軍のバンド(インターナショナル・スタッフ・バンドなど優秀なバンド)が共演したこともあります。
今日では世界中で、28,422人(2018年1月現在)もの救世軍ブラスバンドのメンバー(楽隊員と呼びます)が、キリスト教の礼拝や伝道の目的で演奏活動をしています。日本の救世軍におけるブラスバンドの多くは、JSBを除き、小隊(教会)または連隊(教区)所属となっています。東京の神田、京橋、杉並、清瀬、渋谷の各小隊、関東の高崎小隊、北海道の遠軽小隊、西日本連隊(大阪)などで小隊バンドあるいは連隊バンドが組織されており、また、いくつかの社会福祉施設でもブラスバンド活動が行われています。
(参考)
*Brass Band of the 20th. Century (EGON出版社)
*British Style Brass Band Links (インターネット・サイト)
救世軍ジャパン・スタッフ・バンド(JSB)は日本の救世軍本営に所属するブラスバンドです。救世軍のすべての働きがそうであるように、神の栄光と人の救いのために、1902年に組織された幻燈楽隊以来、さまざまな機会において演奏活動を続けています。特に、2011年に、英国本部にあるインターナショナル・スタッフ・バンド120年記念の集会がロンドンで行われた際には、JSBも参加し、世界の救世軍にある7つのスタッフバンドと共に、ロイヤル・アルバート・ホールでマス演奏をする機会を得ました。JSBは1996年3月日本吹奏楽会による「第6回・日本吹奏楽アカデミー賞 特別部門賞」を受賞するなど輝かしい活動記録を残しています。
ジャパン・スタッフ・バンドの楽隊員(メンバー)は、東京と近郊の小隊に属する救世軍兵士(正式に救世軍に所属するクリスチャン信徒)です。救世軍本営や救世軍の社会福祉施設で働く職員も、一般的な職業を持っている人もいますが、彼らは皆、「スタッフ・バンド楽隊員」という「任命」を受けています。
救世軍の音楽活動の活動資源すなわち楽隊員、楽器、楽譜などは、すべて神の栄光のためという目的に属しています。そのため、演奏やそれに付随する働きによってJSBのメンバーが個人的報酬を受けることはありません。このような立場は「アマチュア精神」の一種ということになります。けれども士気の高さ、目的の純粋さ、献身的姿勢においては、 アマチュア以上のものをジャパン・スタッフ・バンドは求められています。
現在の救世軍ジャパン・スタッフ・バンドに直接つながる話ではありませんが、日本の救世軍における最初の金管楽器演奏は、1895(明治28)年9月22日、日本における救世軍最初の集会のためのものでした。当時の新聞に記されています。「コルネットと伝えるラッパが用いられ、快活勇壮にして面白かりき…」 この記事は、金管楽器がこのころキリスト教の布教に用いられたという事実を示すものでもあります。(参考:堀内敬三著『音楽五十年史』)
救世軍(日本)本営のブラスバンドは現在ジャパン・スタッフ・バンドの名で奉仕を続けていますが、時代によって「本営楽隊」、「参謀楽隊」、「本営バンド」などと称したこともありました。1975年には再び「参謀楽隊」の名に戻り、その頃から元の英語の呼称である「スタッフ・バンド」とも呼んでいます。現在、正式には「ジャパン・スタッフ・バンド」を称しています。(「参謀楽隊」の呼称は現在用いられていません。)
(受付時間: 平日、9:00〜16:30)
祝日は休み、クリスマスなどキリスト教の
主要祭日も休み
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救世軍本営 救世軍本営 音楽部
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