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毎年6月の第1金曜日、私たちはナショナル・ドーナツ・デイを祝います。この特別な日は、単にドーナツを楽しむだけでなく、深い歴史と慈善活動への感謝の気持ちを込めた記念日です。
ナショナル・ドーナツ・デイは、1938年に救世軍(The Salvation Army)がアメリカで創設しました。この日は、第一次世界大戦中に前線でアメリカ軍兵士たちにドーナツを提供していた「ドーナツガール」(Doughnut GirlsまたはDoughnut Lassies)と呼ばれる女性ボランティアたちを称えるために設けられました。彼女たちは、戦場の厳しい環境の中で兵士たちに温かいドーナツとコーヒーを提供し、士気を高める重要な役割を果たしました。
1917年、アメリカが第一次世界大戦に参戦すると、多くの若い兵士たちがヨーロッパの戦場へ派遣されました。戦場での過酷な生活に直面する兵士たちの士気を高めるため、救世軍はボランティアを派遣しました。その中でも特に重要な役割を果たしたのが「ドーナツガール」と呼ばれる女性たちです。
ドーナツガールは、フランスの前線で兵士たちに温かいドーナツとコーヒーを提供しました。移動式の簡易キッチンやテントを設置し、限られた資材で工夫しながらドーナツを揚げました。小麦粉、砂糖、ミルク、卵などの基本的な材料を使い、揚げたてのドーナツを兵士たちに届けることで、彼らに一時の安らぎを提供しました。
戦場の泥や雨、寒さなど厳しい環境の中で、ドーナツガールの提供する温かいドーナツは、兵士たちにとって「遠い異国で家のように思える場所」を感じさせるものでした。彼女たちの活動は、兵士たちの孤独感やストレスを和らげ、戦場での厳しい日々に少しでも希望と慰めをもたらしました。
ドーナツガールの活動は、単なる食事の提供にとどまらず、精神的な支えとして大きな意義を持ちました。彼女たちの献身的な努力は、戦争が終わった後も語り継がれ、ナショナル・ドーナツ・デイの背景として現在に至るまで深く根付いています。彼女たちの精神は、今もなお救世軍の活動に息づいており、多くの人々に感謝と敬意を抱かせ続けています。
今日では、多くのドーナツ店がナショナル・ドーナッツ・デイを祝って特別なプロモーションを実施しています。アメリカのダンキンドーナツやクリスピークリームなどの大手ドーナツチェーンは、無料ドーナツの提供や特別割引を通じて、多くの人々がこの日を楽しめるようにしています。
ナショナル・ドーナツ・デイを迎えるにあたり、私たち救世軍はドーナツガールの歴史に敬意を表すと共に、彼女たちの遺産を次の世代に伝えて行きたいと思います。
救世軍(The Salvation Army)は1865年に創設され、世界134か国で伝道、医療、教育、福祉、地域開発、災害救援、人身取引被害者支援を進めている国際的キリスト教会・国連NGOです。日本では明治28年から活動しています。
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