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(救世軍万国本営サイト2010年10月14日付)
レールトン・ギブス少佐は、ロンドンの救世軍万国本営に本拠を置く国際緊急サービス・チームの一員であるが、同国の国土の大半を壊滅させた水害への対応について、助力と助言を提供するためにパキスタンへ渡った。
パキスタン南部、シンド州のカラチから3時間のドライブでハイデラバードの市街に至る。パキスタンで6番目に大きな都市であり、インダス川沿いに位置している。
同市周辺には最悪の被害を受けた地域がいくつかあり、顕著なのは、川の土手が崩れ、家や農作物を壊滅させた場所である。人々は何も持たずに土地を離れ、その多くは何らかの支援が受けられることを願って周辺地域からこの大きな町にやって来ている。
町の近くにフダ・キ・バスティという場所があり、救世軍のテント・シティとして有名になった。それは、荒野としか言えない場所の傍らにあり、洪水は及ばない。3,600人以上からなるこのキャンプがテント・シティを形成した。
救世軍はすでに、香港特別行政府による財政支援を受けて600張のテントを配布した。わたしたちは、フラム・シャーザダ少佐(ハイデラバード連隊の連隊長)と彼のチームによる、寝具と非食料品の配布の現況を視察するためにこのキャンプに行った。
各家庭には地元行政府による食料と水が配布されている。”これで充分なのでしょうか?”とわたしは現地の当局者に質問した。それはちょうど充分なようであった。これは各世帯との会話によって確認した。
わたしはNCHD‐キャンプ内で働いている別の非政府組織(NGO)‐の代表者に同行した。子供たちを学校教育に留めようと彼らがやっていることを見るために。2つの小さなテントで400人の子どもたちに学校教育が提供されていた。「わたしたちはできるだけのことをしています。」同団体のワーカーが語った。「わたしたちは、来てくれる教師を得て、できるだけ通常のような環境を維持しようとしています」しかし、通常というものが不可能であることは明らかである。
医療支援も地元行政府によって提供されている。一つのテントは下痢の症状専用のもので、もう一つが他の様々な健康問題のためのものである。
各家庭と話して、わたしは同じ話を何度も聞かされた。彼らに残っているものは何も無いということ、そして、将来どうなるか心配であるということである。ワリは、家族と共に3時間以上かけてキャンプにやって来た農夫である。彼は、まったく弱り果てたという。今回のような経験はこれまで無かったと。彼は、彼の息子だけが状況に立ち向かって収入を得ていると説明した。
シャーザダ少佐はパキスタンで以前にも災害支援を多少経験しているが、今回は彼が関与するものとしては最大規模の支援である。彼は、水深の最も深い場所に投げ込まれたように感じているのではないだろうか、わたしはそんな気がした。
「そんなに大変だとは感じていません」彼はそう言ってわたしを安心させた。「よいチームと一緒ですし、わたしたちはパキスタンの本営と(万国本営の)国際緊急サービスの両方から支援を受けています。万国本営の人はわたしたちが最善を尽すために必要な工程について助けとなりました。」そのことはわたしが視察した物資配布に確かに見てとれた。それは充分に整ったものであり、記録がきちんと取られ、現地の顔役、当局者、他の NGOとの関係も良いものであった。
陸路の移動は、華氏100度(摂氏約38度)を越える気温の中であった。わたしは、地元報道機関とのインタビューに時間を割き、救世軍が当地の地域社会、イスラム教徒が90%以上であるこの土地でしようとしていることについて、見解を述べた。
わたしは今回が初めての災害出動ではないが、今回の災害の規模について事前に覚悟させるようなものは無かった。この気持ちは、さらに何マイルか先の16,000人が集まっているキャンプに移動した際にさらに強まった。そこは次回の物資配布の、最初の場所としてシャーザダ少佐が計画しているところである。
わたしたちは道端にいる人々の傍らを通過した。彼らもまた水害の被災者であるが、何らかの支援が届いているようには見えなかった。わたしたちはまだ緊急対応の段階にあるが、これは復旧段階へと移行することになるものであり、そうなれば、人々は家に戻って生活再建への挑戦が始まる。それに伴って状況の複雑さは増大することになるのである。
いつでも、あなたがもっとできることは何かしらあるのであり、もっと多くの人々をあなたは助けることができるのである。
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