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(救世軍万国本営サイト2010年1月21日付)
壊滅的な被害をもたらした地震による痛み苦しみを何とか凌ごうとするハイチの人々の苦労は一週間を過ぎた。このような場合にはよくあることだが、地元の救世軍所属員は、自分たち自身も苦痛や死別の悲しみや損失を受けながら、直ちに他の人々を助けられるよう即応態勢にあった。今は700人以上の救世軍ワーカーが、災害支援現場での活動経験がある海外からのチームメンバーに支えられている。
国際派遣要員は首都ポルトープランスのサン・マルタンにある救世軍の敷地を拠点としている。
リンゼイ・ロウ大佐補(救世軍カリブ軍国書記長官)によれば、救世軍が活動している地域はポルトープランスでも最も危険度が高い場所の一つであるという。報道機関は安全上の理由から近づかないようにと地元当局から警告されているが、これは救世軍にとっては、国際的なメディアによるハイチからの報告で取り上げられることがほとんど無いということにつながっている。救世軍はサン・マルタンで60年の活動歴があり、相応の敬意と評価を得ている。敷地には本部業務を行う建物、礼拝堂、学校、児童ホームがあり、配食プログラムと診療所も行われている。地震によりこれらの建物の多くはひどい損害を受け、まったく使用不能となってしまったものもある。しかしそれでも、緊急支援、食料配布、医療サービス、地元の人々への一般的なケアやサポートを統括して行うためにこの場所は充分に役立っている。
救世軍診療所は、医療上の配慮やアフターケアを要する人々のためにフル稼働している。この診療所は、物資配布および配食センターと同じ敷地内にある。ロウ大佐補は言う。「これほど短期間の間にこれだけのことがよく整ったものだと驚いています。地震直後、治療を求める被災者がすぐにやって来まして、診療所は最初、トリアージ(負傷者選別)の拠点として機能しました。アメリカ合衆国からの医療チームによって、重傷者のための2つの手術室を設置することができました。この診療所では8人の医師が働いていまして、医療チームとして対応した人数は、月曜日(1月18日)は200 人以上、火曜日には300人前後の患者に対応しました。残念なことに医療用品が不足し始めています。」
被災地における全面的な無秩序と混乱の中、診療所のスタッフは今週、3人の赤ちゃんの誕生に喜んでいる。ロンドンの救世軍万国本営から来ている救世軍国際緊急サービス・コーディネイターのマイク・キャッフル大佐補は現地にあって救世軍の支援活動の組織編制に助力しているが、このように言っている。「死と苦痛に満ちた場所で、新しい生命の証を見ることは素晴らしいことです。」
救世軍の敷地裏に隣接している大きな運動場は、12,000人弱の人々の居住地となっている。家らしい空間を彼らは徐々に作りつつある。それは狭苦しく本来不可欠な設備を欠いたものであるが。この集落が、ポルトープランスの救世軍が運営する支援活動の主な対象となっているが、他の町や市に活動を拡張することも計画されつつある。
ポルトープランスの救世軍敷地で、救世軍のボランティアが米と豆を配布 | 調理済み食料や食品パックの配布を待つ人々 |
現在までに、支援拠点における救世軍チームは18,000人に食料を配布、運動場で飲料水を得られるように手配、衣類とテントの支給を行った。テントはもうすぐ追加分が到着する。
本震と度重なる余震によって生じたことの一つに、当地の人々がどんな建物にも恐怖を持ち過ぎて中に入らなくなってしまったことがある。コンクリートなどが崩落する潜在的な危険を避けて、ほとんどの人が路上や公園や構内敷地など、外で寝ている。昨日(1月20日)、リヒタースケール6.1の余震がこの地域を襲い、最も必要なものである食料と水を配給する上で、支援ワーカーにとってはさらに支障を生じることとなった。
ヒュベル・ミュラ少佐(ポルトープランス中央小隊の小隊士官[教会の牧師])は言う。「わたしたちのまさに隣近所であるこんなに大勢の人々が大変な難儀をして、原始時代的な条件下で苦労している様子を見て悲しく思います。差し迫ったニーズに応えるためにわたしたちは精一杯やっていますし、この町にいる救世軍士官たちは人々に寄り添って牧会的な支えを提供しています。」
キャッフル大佐補は、当地の人々が地震後の惨状の中で何とか努力して可能な限り通常のような生活をしようとしている、その立ち直りの活力に驚いている。彼の報告によれば、市場は運営されており、小さな商売は再開され、新しい商売も始まっている。必需物資が不足しているにもかかわらず、彼が言うには、人々は落ち着いて先に進む最善の道を模索しているという。
支援チームは医療用品、食料、水、個人用の衛生用品について至急に要している。ジャマイカの救世軍では4つの大きなコンテナを調達した。これはフード・フォ・ザ・プア(Food for the Poor、USAの慈善団体)からの輸送便に合流する。このコンテナは船でキングストンから出発し、カパイシャンまたはポルトープランスに到着する予定である。救世軍カリブ軍国の各連隊は他のキリスト教会や非政府団体と協力して資金を募り、ハイチの支援チームに向かう輸送便に物資を供給しようとしている。
安全上の問題のために、救世軍はさらなる要員の派遣について、緊急支援の経験が特にある人を除いてこれを延期している。ロウ大佐補は、ハイチのために助けを申し出る世界各地の救世軍人や協力者が多いことに感謝している。けれども彼は、「救世軍が特に取り組むべきは長期支援とハイチの再開発である。」という認識のもとに、今はこらえて待ってほしいとしている。その資質を備えたボランティア諸氏に対して彼は強調して言う、「状況が改善され次第、ボランティアの方々の奉仕も活用されることになるでしょう。」
世界各国の救世軍や一般から惜しみの無い支援をいただいている。カリブ軍国司令官のオナル・キャストォ大佐は言う。「世界各国の救世軍から支援を受け取りつつあり、当地の士官たちにはとても励みになっています。」
キャッフル大佐補は報告をこう締めくくっている。「問題は大きい — 断続的に巨大な必要が生じることがある。人助けをしたい人々があることを承知しているが、現状、最善の方策は財政面の支援、そして祈ることである。ハイチの人々と彼らを助けようと努力している人々のために。
以上はリンゼイ・ロウ大佐補の報告と、マイク・キャッフル大佐補の報告に基づく。
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