ときのこえ2023年1月号

リサイクル―関係性を新たにする

　スティーブン・モーリス

　新年おめでとうございます。この新しい年に皆様が愛する方々に囲まれ、またご自分についての健やかな思いをもって、幸せにお過ごしになるように、と祈っています。
　私は最近日本に住み始めましたが、日本の人々のいろいろな行動を見て、感心しています。特に環境問題に敏感で、リサイクルが日常生活の一部になっているのはすばらしいと思います。自分のいる所で、自分の健康と周囲の人々の健康を維持するために役に立つことを実践できる、皆さんがそう考えているのです。
　このような持続可能な生活への志向は、人類の在り方の一部として世界の初めから組み込まれていたと言ったら、多くの人が驚くかもしれません。環境に優しいボトルや袋を使おうというのは、新しい考え方ではなく、人類のもともとの在り方につながっているのです。
　神が最初の男と女を創造された時、二人に命じられたのは明快なことでした。

園のすべての木から取って食べなさい。ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう。
（創世記2章16、17節）

　私たちはもともと、神の御前で永遠に生きるように造られました。最初の人類である二人が、神の命令に従っていたなら、永遠に生きる機会があったのです。しかし、神のようになりたいという傲慢な思いが強く（これは私たちにとっても大きな挑戦です）、禁じられている木から食べたため、肉体的に死ぬということが始まったのです。
　この瞬間から後、人間と神の関係は、最初に神が考えておられたものとは異なってしまいました。しかし、この極めて重要な関係は再生可能である、というのが良き知らせ、福音なのです！
　神の独り子イエスが、預言されていたとおり、赤ん坊として生まれ、人の罪を赦すために身代わりとなって十字架に架かってくださいました。それによって、人は神との正しく、健全な関係へと、戻ることができるようになったのです。

だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた。これらはすべて神から出ることであって、神は、キリストを通してわたしたちを御自分と和解させ、また、和解のために奉仕する任務をわたしたちにお授けになりました。
（コリントの信徒への手紙二　5章17、18節）

世界の創造主なる神は、私たちが本来もっていた、神との個人的な関係をリサイクル（再生）し、和解するために、イエス・キリストを送ってくださったのです。キリストを信じ、神のもとに帰ろうと決意する時、神との正しい関係が与えられ、それを通して、他者との人間関係も再生されます。そして、自分自身についても健やかな認識をもって生きることができるようになるのです。
　一人の宗教指導者（律法の専門家）が、何をしたら永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか、とイエスに尋ねました。イエスは彼との問答を通して、すばらしい答えを示しました。

『心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい』…。
（ルカによる福音書10章27節）

神は私たちを条件なしで愛してくださいます。この愛を受け取る時、他の人々を愛する、愛の賜物を、神は私たちに与えてくださいます。それは、私たちの周囲にいる人々にとっても大切な感化となり、私たちが他の人々を愛する愛によって、その人々の生活が再生し、神との和解の生活へと導かれるのです。
　この新しい年の初め、自分が努力する目標を立てるだけでなく、魂の救いをなしてくださる方を深く追い求めましょう。そうするなら、永遠の命という賜物が与えられ、自分自身についての健やかな認識、周囲の人々と和解する機会もまた、与えられるでしょう。
　神の祝福が皆様と、周囲におられる人々の上に、豊かにありますように。

（救世軍士官〔伝道者〕）