2024年の予定
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石川一由紀
今年の大河ドラマ「どうする家康」は、幕府を開く前の家康の生涯にフォーカスをあてており、迷い、悩み、時には逃げ、失敗し、様々な弱さをもちながら人望を得ていく家康の一歩一歩が、時に真剣に、時にユーモラスに描かれています。人を導く立場の人も、本当はこのように人間臭い人なのだと思い、なんとなくほっとするのです。特に、民衆の中に入っていって、気さくに話をしながら、民の暮らしを見つめるシーンは印象的です。歴史の教科書に出てくる徳川家康の絵からは想像もつきません。
ここで皆様に、迷い、悩み、時には逃げ、失敗し、様々な弱さをもつ人が、次々と登場する書物を紹介したいと思います。そこにはまた、民衆の暮らしの中に入り、気さくに話しながら、民の悲しみを自分の悲しみとして痛み、そこに一筋の光をもたらそうとする人物が登場します。この書物は、世界のベストセラーと呼ばれる『聖書』です。そして、光をもたらす人物、その名はイエス。イエス・キリストの物語です。
イエス・キリストは、神の独り子であって、私たち人間を神の作品として大切に扱おうとしてくださっています。彼は人間味あふれる十二人の弟子たちと行動を共にし、いつも民衆の中にいました。弟子たちが失敗しても最後まで彼らを赦し続けます。過去の異性関係から人目をはばかる女性に対しても、きちんと向き合い、清算できない過去を抱えたまま、そのままの女性を受け入れ赦していきます。
ずいぶん前の話ですが、私が小隊(教会にあたる)の掲示板の中に次の日曜日の説教の題を貼っていると、通りかかった方が声をかけてくださいました。「毎週、良い言葉が書いてありますね。」私が、日曜日の礼拝に来るように勧めると、「ええ、でも、過去を清算して、もう少しましな生き方ができるようになったら来ます」と言うのです。イエス・キリストは、そのままのあなたを大切にして受け入れてくださること、十字架で死なれ復活された方だからこそ、これからの人生に責任をもってくださることをお話ししましたが、私の在任中、この方が小隊の中に入って来ることはありませんでした。
現代における悩み苦しみの内容は、聖書の書かれた約二千年前とは違うかもしれません。SNS上でのトラブル、ストーカー、DV、虐待やネグレクト、将来の見えない不安、急激な少子高齢化に伴う人材不足、社会問題など枚挙にいとまがありません。21世紀を生きる私たちの苦しみ、悩み、やり場のない怒りなどにも、今、イエス様は向き合ってくださるのでしょうか。
ローマの信徒への手紙8章38~39節にはこうあります。
「…死も、命も、天使も、支配するものも、現在のものも、未来のものも、力あるものも、高いところにいるものも、低いところにいるものも、他のどんな被造物も、わたしたちの主キリスト・イエスによって示された神の愛から、わたしたちを引き離すことはできないのです。」
この紙面を読んでくださる皆様が、今の現実を抱えたまま、イエス様のもとに来られるように、その導きのために救世軍をお訪ねくださるように、と願い祈るものです。イエス様は必ず、皆様一人ひとりと向き合ってくださり、大切にしてくださいます。
(救世軍士官〔伝道者〕)
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