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「あなたの夢は何ですか?」といきなり尋ねられたとしたら、あなたは、「私の夢は○○です。」とスッとこたえられますか。……もしすぐに「私の夢は○○です」とこたえられるとしたら、とても素晴ばらしいことだと思います。
インターネットで、こんな書き込みに出合いました。皆さんはいかがでしょうか。
西洋にはビジターズブック(来客帳)というものがあり、客に、訪問記念のサインをしてもらう習慣があります。二十世紀の初頭、英国の王であったエドワード七世に招かれたひとりの人が、王様のビジターズブックにこう書きました。
ある人の大望は芸術、
ある人は名声、
ある人は富である。
しかし、
私の大望は人の魂である。
この人の夢は、人の魂、心の変革のために働くことでした。
十九世紀、産業革命後の英国は、失業者が増加し、人心が荒廃、街には、アルコール依存症者、売春婦があふれました。その様子を見て、彼らのために働く決心をした一人の人がいました。彼は、メソジスト教会の牧師でしたが、街角に立ち、彼らにキリストを伝え、彼らのために、社会事業の働きを始めます。たくさんの人が、彼とその仲間たちの働きに助けられ、キリストを信じ、心と生活の変革を経験しました。この人物が、救世軍の創立者ウイリアム・ブースです。そして、これが救世軍の始まりでした。
「少年よ、大志を抱け」という、札幌農学校で教きょう鞭べんをとったクラーク博士の有名な言葉の全文は、次のようなものでした。少年たちよ、(キリストにあって)大志を抱け! お金のためではなく、私欲のためでもない。名声という虚しいもののためでもない。人間としてあるべき姿を求める大志を抱け。
先のウイリアム・ブースは、野心家であり、大きな望みをもっていました。少年の頃は、実業家で成功したいと望み、政治に熱中し、大演説ができるようになりたいと願いました。しかし、彼は、東ロンドンの困窮する人々を見て、彼らのために働くべきであるとの「運命」を見いだしたのでした。
人は、自分の欲望が満たされ、人から賞賛され、人の上に立つことを求めるでしょう。しかし、本当の幸せは、自分の行くべき道を見いだし、その道を歩んだ時に与えられるものです。ブースは、弱者、困窮者のために働くことに自分の道を見いだしました。
ブースを通し、神によって始められた救世軍は、今年、創立百五十周年を迎えています。また、日本での働きが開始されて、百二十周年になります。 この間、救世軍が変わることなくおこなってきたことは、
「主イエス・キリストのみ名において、分けへだてなくすべての人々のニーズに応こたえること」
(救世軍ミッション ステートメントより)であり、今も、世界中の救世軍が実行しています。
さて、聖書の語る弱者は、単に、物質的な不足や、社会的な弱者であるだけでなく、その心が満たされることのない苦しみを経験している人々を含みます。
「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」(マタイによる福音書11章28節)
これは、イエス・キリストの言葉です。イエス・キリストこそ、弱者のためにこの世に来られた方であり、ブースは、それを具現化した一人でした。
あなたは、弱者としての苦しみを経験されてはいないでしょうか。もし、そうであるなら、ぜひキリストのもとに来ることをお勧めいたします。
(救世軍士官〔伝道者〕
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