2024年の予定
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ある日の朝礼で、校長先生がお話をしました。
「お風呂に入って、お湯を温める時、熱くなったお湯を自分の方に寄せると逃げていきます。反対にお湯を押し返すと熱いお湯が自分のところに来ます。皆さんは受ける人ではなく与える人になってください。」
これは、わたしが中学生の時に聞いた言葉ですが、今でも印象に残っています。
イタリアのある教会にあるという、ソロモン王の壺の伝説を聞いたことがあります。ソロモン王は、シバ(新共同訳聖書ではシェバと表記)の女王から贈られた美しいエメラルドの壺を大変気に入り、その壺に延命長寿の妙薬を入れてしっかりと封をしました。長年の間、側近や善良な市民、友人が、その薬を使うことを願っても断り続け、ソロモン王の側近も友人もやがてこの世を去りました。そして、ついにソロモン王自身が病床に臥す身となった時、王は壺の中にある延命長寿の妙薬のことを思い出し、ようやく封を切ったのです。ところが、その妙薬は、出し惜しみするうちにすっかり蒸発し、一滴も残っていなかったのでした。
聖書の言葉に、
「施し散らして、なお富を増す人があり、与えるべきものを惜しんで、かえって貧しくなる者がある。物惜しみしない者は富み、人を潤うるおす者は自分も潤される」(箴言11章24、25節 口語訳聖書)
とあります。
人間としての真の幸福は、「わたしが」という我執から離れて、わたしの目の前に立っている「あなた」という存在に目を留め、心と手を分かち合うことではないでしょうか。あなたの手にパンが二つあって、その一つを飢えている人に分けるなら、この世界には「ありがとう」の声が響き渡ることでしょう。
イエス・キリストも言われました。
「受けるよりは与える方が幸いである」(使徒言行録20章35節)
と。そして、自らの命をわたしたちの救いのために与えてくださったのでした。イエス・キリストご自身が、施し、分かち合う世界をわたしたちに現してくださいました。
救世軍では、三月から四月にかけて「克己週間」と呼ぶ募金をおこないます。自分にとって大切なものを何か我慢(克己)して、必要を覚える働きのために献げる、という世界中の救世軍でおこなわれる募金運動です。これは、特に、海外の開発途上国における職業訓練、識字教育、衛生教育などによる自立支援、エイズ対策プログラム、貧困対策などに用いられています。
折しも、今年は、克己週間募金が日本で始まって、百二十年を迎えます。分かち合うことによって祝福される世界が、ますます広がるよう、この働きに加わる方が増えることを願っています。
最後に、聖書の言葉を贈ります。
「神は……あらゆる恵みをあなたがたに満ちあふれさせることがおできになります。『彼は惜しみなく分け与え、貧しい人に施した。彼の慈しみは永遠に続く』と書いてあるとおりです。……その施しは、わたしたちを通じて神に対する感謝の念を引き出します。」(コリントの信徒への手紙二 9章8〜11節)
(救世軍士官〔伝道者〕)
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