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「あなたがすべての面で恵まれ、健康であるようにと祈っています。」(ヨハネの手紙三 2節)
この文章は、二千年ほど前に書かれた新約聖書の中の手紙の一節です。その当時一般的に使われていた手紙文の様式に従って書かれていると言われています。現在でも、私たちは手紙の冒頭に、「御健勝のこととお慶び申し上げます」とか、末尾には、「御自愛ください」等、相手の健康を願う言葉を使います。いつの時代にも、「すべての面で恵まれ、健康であること」は、人の悲願であるようです。
1948年に世界保健機構(WHO)が設立と同時に発表した憲章の前文において、「健康」を次のように定義しています。
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」(公益社団法人 日本WHO協会訳)この憲章をもとに、各国の政府は健康に関する様々な取り組みをおこなっています。
その後、1998年にこの前文の改正案が提出されました。総会での決定には至りませんでしたが、次のようなものでした。
「健康とは身体的・精神的・霊的(スピリチュアルspiritual)・社会的に完全に良好な動的状態であり、すべてが満たされた状態にあることをいいます。」
日本WHO協会は、ホームページで、霊的という語が付加された理由をこのように説明しています。
「spiritual は、人間の尊厳の確保や生活の質を考えるために必要で本質的なものだという観点から、字句を付加することが提案されたのだと言われています。」協会は、この説明の最後に、
「日本語では、mental もspiritual も同じく精神的と訳してしまいそうになるのは、宗教に希薄な国民性のためかも知れません。ともあれ、どう翻訳すべきかを考えてみることも、私たちが『健康とは何か』を考えるヒントのひとつになるかも知れません」とコメントを加えてくださっています。(文責 事務局 松村氏)
新約聖書には、「健康」という言葉が、数回出てきますが、イエス・キリストは、この言葉を次のような場面で使用されました。
イエス様の時代の宗教者たちは、イエス様が、彼らが忌み嫌う人々を弟子にしたり、罪人とみなされるような人と共に食事を摂ったりしているのを見て、つぶやきました。そのことを知ったイエス様は、「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人である」と反論したのです。イエス様は、社会で見捨てられた人々、病に苦しむ人々、心身の障害に苦しむ人々に寄り添い、苦しみを共にしました。イエス様は、愛である神様を知らせ、ご自身の命を与え、十字架に架かり、私たちに命への道を開いてくださいました。神様と人との良好な関係を妨げる原因であった私たちの罪は、十字架によって赦されたのです。
冒頭の聖書の言葉の前に、「愛する者よ、あなたの魂が恵まれているように」とあります。聖書は、私たちを創造された神様と私たちとの関係が十字架によって修復され、それによってもたらされた恩恵にあずかることこそが「健康」の前提である、と教えています。たとえ、肉体的に、精神的に、社会的に弱さをもっていても、イエス・キリストによって神様との関係が修復されたなら、「健康」に生きることができるのです。
さて、救世軍では、6月5日を医療サンデーと定め、医療の働きのため、医療従事者のために祈ります。東京では、その日曜日の午後、清瀬市にある救世軍清瀬小隊(教会にあたる)において「健康的生き方講座」を計画しています。医師、病院相談員、病院チャプレンがそれぞれの立場から「健康的に生きる」ことについて考察します。
新緑が美しくなり、色とりどりの花が咲き、自然の営みのすばらしさと不思議さを感じさせてくれる季節、私たちも、聖書に示された健康的な生き方、すがすがしい生き方をしたいと願います。
皆様のご健康をお祈りいたします。
(救世軍士官〔伝道者〕)
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