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あなたはどんなことに恐れを感じてしまうでしょうか? 暗闇に? 蜘蛛に? 病気や高所、閉所、あるいは金銭問題や将来に? 恐怖の原因になるものは数えきれないですし、多くの場合、その恐れは不安を伴います。聖書は、神が人々に「恐れることはない」と何度もお告げになったことを記しています。
クリスマスの時期、天使ガブリエルがマリアに、イエスの母となることを告げた時の言葉を心にとめました。それは、「恐れることはない」でした。聖書を読むと、天使が、イエスの降誕の場面によく描かれているような、美しくもはかなげな、見栄えする少年・少女ではないことが分かります。詩編一〇三編二〇節では、天使を「力ある勇士」と表現しています。
イエスの誕生の知らせを受けた羊飼いたちも、天使が彼らに現れて告げた、この同じ「恐れるな」との言葉に慰めを得ました。(ルカによる福音書2章10節)
マタイによる福音書は、イエスが復活された朝、イエスが葬られていた墓において、墓を見に来た女性たちに告げた天使の最初の言葉が「恐れることはない」(28章5節)であったことを記しています。そして、その直後、その女性たちがイエスに出会い、イエスに告げられた最初の言葉も「恐れることはない」でした。(同10節)
旧約聖書にも、ヨシュアが、指導者モーセの後継者となる時、神が同じ語りかけをされていることを見ることができます。申命記三一章八節には、
「主御自身があなたに先立って行き、主御自身があなたと共におられる。主はあなたを見放すことも、見捨てられることもない。恐れてはならない。おののいてはならない」
とあります。イザヤ書四三章一節にも、神からの約束
「恐れるな、わたしはあなたを贖う。あなたはわたしのもの。わたしはあなたの名を呼ぶ」
が書かれています。また、新約聖書の最後の書(ヨハネの黙示録)には、ヨハネが幻の中でイエスを見て、その足元に倒れた時に、イエスから「恐れるな」と告げられたことが記されています。(1章17節)
このように、聖書全体を通して「恐れることはありません」と神がわたしたちに告げておられることが分かります。キリストの生涯において、その誕生の予告から、誕生の知らせ、最初のイースターの朝に至るまで、同じ「恐れることはありません」という言葉をわたしたちは聞くのです。
そうしてわたしたちは、恐れを覚える人生から、けっしてわたしたちを見捨てることをなさらない「計り知れない」神に心から信頼する人生へと神が招いてくださっていることをはっきりと知ることでしょう。
これらの神の言葉は単なる忠告ではありません。神を知り、神と共にその人生を送る人々は、もはや恐れる必要はないのです。なぜなら、神はすでに世に勝っておられ(ヨハネによる福音書16章33節)、十字架で罪を滅ぼし、空になった墓が明らかにしたように、死に打ち勝たれたからです! 恐れの思いに覆われるときには、このことを思い出す必要があります。
神は、遠く離れた、力を振りかざすお方ではなく、わたしたちと共に、その民の中に生きようとされる、常に共にいてくださる神です。わたしたちは、 「恐れることはない」という神の導きを、先ほどの「主はあなたを見放すことも、見捨てられることもない」と繰り返された言葉に結び付ける必要があります。恐れを覚えるときには、神が、全能なる神―すべての力を有する神―であるというだけでなく、わたしたちのすぐそばにおられる神であることを思い出す必要があるのです。神のその完全な愛は、「恐れを締め出」(ヨハネの手紙一4章18節)します。
今年のイースター、あなたのおられる世界に、そしてあなたの人生にどのようなことが起きているでしょうか。
罪と、断ち切れない行動習慣に苦しむどんな人も、恐れではなく、十字架の上で罪の力を滅ぼされた神に信頼することを選ぶことができます。家族や仕事、健康にかかわる、人生の重大な試練の中にあるどんな人も、恐れではなく、不可能なことのない神に信頼することを選ぶことができます。悲しみと喪失感の中にあるどんな人も、死を打ち破り、永遠の命を約束してくださっている神に信頼することができます。
ですから、どうかイースターを迎えるこの時、恐れないでください。神はあなたと共におられることを覚えていてください。恐れないでください。神はあなたの直面するどんな状況をもはるかに超える方であることを覚えていてください。恐れないでください。わたしたちの神は、勝利者です。そして、神の勝利を与えたい、とわたしたちを招いておられるのです。
(万国総督・救世軍士官〔伝道者〕)
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