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ときのこえ
2020.05.27(水)

ときのこえ 2020年5月号

愛がたくさんある社会に 本村いずみ

新緑のまぶしい季節となりました。一年の中でも過ごしやすい季節です。日本は四季が美しいと言われてきましたが、気候変動が原因でしょうか、近年の日本は、やや亜熱帯化し、春と秋が短くなったようにも感じます。そうは言っても、このすばらしい季節を十分満喫したいものです。

みなさんは、どの季節が好きですか。それぞれ、好き嫌いには理由があり、花粉症に悩まされている方にとって春は好ましくないでしょう。暑さ寒さについても、生まれ育った環境によって汗腺の数や耐える力も違うようです。様々な人とお話ししていると、ある人にとっては快適な環境や美しさも、ある人にとっては不快であったり、好ましくなかったり、ということも経験します。

五月には「母の日」がありますが、子どもが大好きという人もいれば、子どもが苦手だという人もいます。反対に、母親を好きな人もいれば、苦手意識をもっている人もいます。また、いろいろな事情で母親の愛情を受けられなかった人もいるでしょう。それでも、わたしたち人間は、だれもが母親の胎から生まれたことは間違いなく、母親がいたのも間違いないのです。そして、生まれるまでの数カ月間、母親の体内で守られていたことも確かです。

聖書の中に
「女が自分の乳飲み子を忘れるであろうか。母親が自分の産んだ子を憐れまないであろうか。たとえ、女たちが忘れようとも わたしがあなたを忘れることは決してない。見よ、わたしはあなたをわたしの手のひらに刻みつける」(イザヤ書49章15、16節)
とあります。昔から母性愛、母親の大きな愛等、子どもに注ぐその愛の確かさが表現されてきていましたが、神様の愛はそれにはるかに優るものです。それは、大きく深く、絶えることなく、尽きることもない、今も、そしてどこまでも永遠に続く愛なのです。

聖書には、神様はわたしたち人間を神様の姿に似せて、かたどって創造されたと書いてあります(創世記1章)。そして、造ってくださっただけでなく、神にとって貴い存在として愛してくださいました。

神様は、わたしたちをいとおしく思い、愛を注ぎ、どこまでも愛してくださろうとして、わたしたち人間の罪の身代わりとして、大事な独り子であるイエス・キリストを十字架の死に渡されたのでした。それほどまでの痛みを伴う愛によって、わたしたちを、そして、この私をも、愛していてくださるのです。

こう感じているのは、私が特別だからではありません。神様は、私だけでなく、人間一人ひとり、もちろん、あなたを愛し、大切に思っておられるのです。あなたは、神様に特別に愛されている存在です。わたしたちは、神様からどこまでも愛されている、大切な一人ひとりなのです。

神様に愛されていることを心に留めて生きるとき、わたしたちは、自分の心にその愛が満ちあふれることを感じることができます。

聖書には、「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」(マタイによる福音書7章12節)とありますが、神様の愛によって、自分が助けてもらいたいと願うように他の人を助け、自分が褒められたいと思うように他の人を褒め、自分が理解されたいように他の人を理解しようとするとき、あなたの周りは、きっと、もっと愛に満ちあふれた世界となることでしょう。

愛がたくさんある社会になることを願いつつ……。

(救世軍士官〔伝道者〕)

 

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